官能都市という言葉を知っていますか。
2015年、HOME’S総研が独自の視点で都市を評価した際に提案した都市像のことです。「HOME’S総研」とは、より豊かで真に自由な住生活の実現のため、住まいに関わる独自の調査研究を行う社内シンクタンクとして2013年7月に設立された研究所です。
官能というと性的な意味に受け取られるかもしれません。しかし、ここでは人間の五感で体験するという表現をで『官能』という言葉を使っています。
HOME’S総研のユニークな指標で全国の134都市で1位に輝いたのは文京区でした。
どのような研究をしているのか、どのような未来を目指しているのかHOME’S総研の魅力と官能年についてお伝えします。
目次
住まいの未来を考える研究所
HOME’S総研とは日本の住まいの未来を考える小さな研究所です。
衣服が単に暑さ寒さを防ぐためだけのものでないように、食事が単に必要な栄養を摂取できればよいというものでないように、住まいもまた、ただ寝食をするためだけの箱ではありません。
HOME’S 総研は、日本の「住むこと」がより豊かでもっと自由なものになるよう、住まいの提供に関わる産業に対して、中長期視点・生活者発想での情報発信をして行きたいという考えを持つ研究所です。(HPよりhttps://www.homes.co.jp/souken/)
「Sensuous City[官能都市]~身体で経験する都市;センシュアス・シティ・ランキング」は、全国134の都市を対象にさまざまな観点から都市の魅力を分析した研究成果をまとめたもので、全国134都市の中で第一位に選ばれた都市は『文京区』でした。
HOME’S総研は資料を書籍化したりなどせずにPDFで研究者でも一般の人でもみることができるようにHPに載せてあります。ページは234ページとボリューム満点な情報が詰まった研究資料になっていますが、資料に書かれている内容は今まで私たちが見るような記事とは少し違った視点で”豊かさ”を考えるきっかけを与えてくれます。
ユニークな指標
五感による体験が豊かにできる都市を官能都市と名付けています。また、官能都市という視点から、インターネットアンケート調査を行い、全国の都市ランキングを発表しています。(https://www.homes.co.jp/souken/report/201509/ranking/)
調査をみると、アンケートの選択肢が非常に独創的なことがよくわかります。
人口や施設数など統計データによる評価が一般的でした。しかしこの調査では動詞による評価をしているのです。そこに暮らす人々がどのような活動をその都市でしているのかに着目した選択肢が準備されており、順位がつけてあります。
例えば、「買い物途中で店の人や他の客と会話を楽しんだ」「通りで遊ぶ子供たちの声を聞いた」「路上でキスをした」「馴染みの飲み屋で店主や常連客と盛り上がった」「地元でとれる食材を使った料理を食べた」「公園や路上で演奏やパフォーマンスをしている人を見た」など計32項目あり、いずれも統計では数値化することは困難な項目です。しかし、多くの人にとってそういった経験ができるような都市なら暮らしてみたいと思えるような「動詞」が選択肢に並んでいました。
サイト上ではチャートで選択結果をみることができたり、項目別で順位を見ることもできます。ユニークな視点で人の活動を項目にした評価はなく、人が幸せかつ豊かに暮らしていくために必要な指標が揃っています。
魅力的な街とは何か
「地方創生」は現在多くの地域で取り組まれています。平成26年9月には政府内に「まち・ひと・しごと創生本部」が設置されました。また、同年5月に日本創生会議が発表した「消滅可能性都市」は、東京都豊島区が含まれていることなどから都内でも全国でも大きな注目を集めました。
日本では人口が減少傾向にある中で、都市の発展や活性化には、地方、都市圏に関わらず魅力ある街づくりが求められるようになっています。
HOME’S総研では、街の本当の魅力を図る物差しを模索し、提案することを目指して調査研究を行い、本報告書を発行したりしています。街づくりなどと地域創生のもとで行われるような再開発は街に住む人々にとっての暮らしやすさを実現してきました。しかし、地元で昔から愛されてきた街並みや、にぎわいのある商店街が失われていってしまうという現状があります。
時代とともに入れ替わりが激しくなってしまっていることから「魅力的な街」とはなにかということが最近多くの人の間で問われるようになりました。魅力ある街づくりを考える際、「人気」や「公共サービスの充実」といった指標だけでなく、HOME’S総研では街に住むひとたちの「体験」を軸に生活者目線での魅力の評価指標のひとつとして、「センシュアス・シティ・ランキング」というランキングを公開しています。
これによって人口や施設という物理的な統計ではなく、心理的な指標を大切に調査しているのがHOME’S総研の研究です。
まとめ
田舎と呼ばれ、交通に不便さを感じる地域でも都会と呼ばれ便利な地域でも「豊かさとは何か」、「魅力のある街とは何か」ということが問われています。官能都市という人間の活動に焦点を当てた指標での調査は、ユニークで魅力を測ることで街の本質を見抜くことができる面白い調査です。
その中で1位に輝き、HOME’S総研によるユニークな指標でランキングで上位をとる文京区から目が離せません。
そんな文京区にお住まいの方も魅力的な街に関心のある方も是非こちらのホームページからどのような指標があって住んでいる地域が何位なのか探してみてください。
きっと面白い発見があります
https://www.homes.co.jp/souken/report/201509/ranking/